自社の決算書をみると、
・決算日時点で投資している内容
・これまで投資し回収したリターン結果
がわかります。
具体的には決算書のうち「貸借対照表」という表をご覧ください。
左半分に、現預金、棚卸資産、有形固定資産・・・といった言葉が並んでいます。
これが現時点で経営上投資している内容、言い換えれば、
お金と、お金が別の資産に形を変えて、会社の資産となっている状態を表しています。
経営者の方であれば「なんだそんなことか。それくらいわかるよ。」という感想を持つと思います。
では、それぞれの資産に記載されている金額は、何に使われ、それぞれの金額の内訳はいくらでしょうか。
これは、なかなか千円単位まで答えるのは難しいと思います。
もっと言えば、それぞれの資産が、今後どの程度収益を上げることに役立つのか、定量的に説明することも難しいですよね。
仮に、私が石焼き芋の屋台を引いて、石焼き芋を売る商売を始めるとします。
サラリーマン時代に貯金した30万円が元手資金です。
屋台一式は中古品を購入して、10万円お金を使いました。
原材料の芋は、農家の知り合いから1本あたり50円で1000本仕入れて、5万円お金をつかいました。
事業年度中に、焼き芋は1本あたり100円で400本売れ、4万円の売上を得ることができました。
この時点で決算を迎えました。
貸借対照表の左側の表示は次の通りとなります。
・現預金 19万円(=30万円(元手資金)-10万円(屋台)-5万円(原材料の芋)+4万円(売上))
・棚卸資産 3万円(=50円×売れ残っている原材料600本)
・屋台 10万円(減価償却はいったん置いておきます)
合計 32万円
これくらい事業内容がシンプルであると、屋台と原材料の芋がどの程度のリターンを生み出したのか
わかりやすいですね。
期首の元手であった現金30万円が、期末に32万円になりました。
つまり、この期間に2万円の利益が得られました。
2万円の利益を得るために、屋台も、現在用の芋も、有効に活用されました。
さて、みなさまの会社ではいかがでしょうか。
自社の決算書の左側にある資産はすべて、事業活動に有効に活かせていますでしょうか。
そもそも実在していますか。遊休となっているもの、もう使えないものは無いでしょうか。
すべてリターンを得るために役立つ資産構成となっていますでしょうか。
資産項目を定期的にチェックすることで、お金が有効に事業活動に使われているか確認することができます。
できれば月次でチェックし、余分な資産のない引き締まった経営体を目指しませんか。